アトピー性皮膚炎でおみえになる患者さまは圧倒的に女性が多いです。終わりの見えないステロイド治療に不安を感じたり、肌を綺麗にしたい気持ちが強い方が男性より多いのでしょう。
アトピー性皮膚炎は東洋医学的に診断すると、気血水の乱れが複合的な場合が少なくありません。症状は、季節、体調、ストレス、月経周期などによっても大きく変化しますので患者さんの状態の変化に注意しながらその時々で処方を変えていきます。
アトピー性皮膚炎と月経周期との関係
これまで多くの女性のアトピー性皮膚炎患者さまを診てきましたが、生理周期で症状に変化が出る方が多くいらっしゃいます。排卵期過ぎ頃より悪化し、生理が始まると症状が少し治まる。この様な方は、酷い生理痛や生理不順、生理時に血の塊が出るなど、お血症状が多くみられます。
このような時は、お血を改善するだけで、アトピーの症状が改善されることも多くあります。
具体的には、通導散、駆瘀血丸、
加味承気湯、
桂枝茯苓丸などを基本に、ヨクイニンや荊芥連翹湯粒などを加えて、その方にあった処方を組み立てていきます。
効果のある場合には2〜4週程度で体感されると思います。一ヶ月様子を見ても改善傾向にない場合には、生薬の追加や基本方針の変更が必要でしょう。
女性の場合には月経前(高温期後半)に悪化することが多いので、再診時が月経前等であれば見た感じでは、皮膚の状態が悪化していることがあります。ですから、効果判定は月経周期の同じ頃(初診が7日目であれば、次周期の7日目)に行うのが一番分かりやすいのではないかと思います。
初診が月経14日目、再診が2週間後の月経直前の場合、「少し悪くなっていませんか?」と思うことがあります。
ところが患者さま本人の感覚では、「月経前にはいつもブワァ〜っと悪くなるのですが、今回はそれほど悪くなくこの程度で済んでいます。」とおっしゃる方が多いのです。
アトピー性皮膚炎の治療はご自身の感覚・体感がとても重要になってきます。簡単で結構ですので、手帳に記録をつけておかれるととても参考になると思います。
アトピー性皮膚炎でお悩みの方、今受けている治療で効果を感じられない方、いつでも細野診療所(大阪・東京)へご相談ください。